上司への伝え方から異動が決まるまで、社内異動を実際に進めた手順
IT職から、事業部のUXの仕事に社内異動しました。
異動したいと思っても、「上司にどう切り出せばいいのか」「行きたい部署をどうやって探せばいいのか」が分からず、動けない人は多いと思います。僕もそうでした。
この記事では、僕が実際にやった手順を順番に書きます。流れはこうです。
- 上司に「異動したい」と伝える
- 行きたい部署の人と1on1をする
- 異動先の候補を3つに絞る
- 上司と人事に調整してもらい、面談を受ける
- 引き継ぎをして、異動する
異動を考えるきっかけになった自己理解プログラムの話は、自己理解プログラムの体験談に書いています。
1. 上司に「異動したい」と伝える
切り出し方は素直に
特別な前置きはしませんでした。「実は、異動したいと思っていて……」と、そのまま切り出しました。
伝えた上司は2人です。反応は正反対でした。
1人は「分かった。挑戦は大事だから」と、すぐに背中を押してくれました。
もう1人には、こう言われました。
本当に後悔しない?君のスキルって希少だから、市場価値が高いよ?
引き止めてくれたのかもしれません。ただ正直なところ、普段はそこまで評価してくれていなかったのに、と思ってしまいました。
「なぜ異動したいか」をロジカルに話せた
上司と話すときに良かったのは、異動したい根拠として、自己理解の話ができたことです。
「今の部署が嫌だから」ではなく、「好きなこと、大事なこと、得意なことの観点で深掘りした結果、自分が本当にやりたいことはこれだと分かった。だから異動したい」と、筋道を立てて伝えられました。
異動の希望は、伝え方によっては不満や逃げに聞こえてしまいます。やりたいことを根拠に話せたので、前向きな相談として受け止めてもらえたと思います。
2. 行きたい部署の人と1on1をする
上司には頼らず、先輩に紹介してもらった
次にやったのは、行きたい部署の候補の人と1on1をさせてもらうことです。
上司からは「どの部署に行きたいか自分で探して、具体的になってから教えて」というスタンスでした。なので、ここは上司に頼らずに動きました。
頼ったのは、もともとつながりのあった近い部署の先輩です。先輩の知り合いを紹介してもらって、1on1をお願いしました。話を聞かせてもらった部署は、全部で5つです。
社内異動の良いところは、こうした社内のつながりを使えることです。転職だと、入る前に中の人と気軽に話すのは難しいと思います。
1on1で聞いたこと
1on1では、次のことを聞きました。
- その部署でやっていること。UXに関われるか
- 仕事のどんなところが面白いか
- 仕事の流れ
- 新規プロジェクトをどれくらいの頻度で出しているか
特に最後の質問は、「世の中にプロダクトを届けたい」という自分の軸に合うかを確かめるためのものでした。自分が何を大事にしているかが分かっていると、聞くべきことも自然に決まります。
3. 異動先の候補を3つに絞る
1on1で話を聞いた5つの部署の中から、異動したい部署を3つに絞りました。基準は3つです。
- UXが重要視されているか
- 1on1で話した相手に熱量があるか
- 自己理解で出した「価値観ピラミッド」に照らして合っているか
2つ目の「相手の熱量」は、意外と大事だと感じています。同じような仕事でも、楽しそうに話してくれる人がいる部署は、働く自分の姿を想像しやすかったからです。
4. 上司と人事に調整してもらい、面談を受ける
候補が決まってからは、上司と人事が異動の調整をしてくれました。流れはこうです。
- 上司と人事が、異動希望先の部署のトップに、受け入れられるかを確認する
- 受け入れの可能性がある部署のトップと、カジュアル面談を1回する
- 最終的に、1つの部署が拾ってくれる
実は、この途中で1つの部署には落ちています。3つに絞っていても、全部が受け入れてくれるわけではありません。候補を1つに決め打ちせず、複数持っておいて良かったと思います。
最終的に拾ってくれた今の部署では、未経験の僕でも、IT職としてのスキルを見込んでもらえました。
異動までは1年半かかった
上司に「異動したい」と伝えてから、実際に異動するまでには1年半かかりました。
社内異動は、希望を出せばすぐに動けるものではありません。受け入れ先の部署の事情や、会社の異動のタイミングもあります。これから動く人は、年単位の話になるかもしれないと思っておくと、途中で焦らずに済むと思います。
5. 引き継ぎをして、異動する
気まずさはなかった
元の部署を離れるときの気まずさは、ありませんでした。みんな残念がってはくれましたが、最後は背中を押してくれました。
同じ会社の中での異動だったことも大きいと思います。辞めるわけではないので、送り出す側も気持ちよく送り出せるのかもしれません。
引き継ぎはAIではかどった
引き継ぎでは、AIがとても役に立ちました。特に便利だったのが、GoogleのGemini Notebook(旧NotebookLM)です。
システムの仕様書や過去の問い合わせ事例を全部まとめてGemini Notebookに入れておきました。そのうえで、後任の人には「困ったときは、これに質問してね」という形で引き継ぎました。
資料を一つひとつ説明しなくても、後任の人が自分で聞いて調べられます。引き継ぎの資料作りに追われずに済んだので、とても助かりました。
やってみて分かったこと
振り返ると、社内異動を進めるうえで大事だったのは次の4つです。
- 異動したい理由を不満ではなく「やりたいこと」で説明できるようにしておく
- 行きたい部署の人の話を自分から聞きに行く
- 候補は1つに決め打ちせず、複数持っておく
- 時間がかかることを覚悟しておく(僕の場合は1年半)
1つ目については、僕は自己理解プログラムで考えを整理していたのが大きかったです。異動を考えている人は、まず自分が何をやりたいのかを言葉にするところから始めてみてください。